“人生の選択に正解はない”。なんてことをたま~に見聞きするけれど、自分の選択が100%合っている、と胸を張って言える人は…そうそういないはず。ただ、正解・不正解は置いといて、今を楽しんで生きている人ってやっぱり素敵!「ジブンヒストリー」は、そんなエネルギッシュに生きる彼らの日常や歴史にフォーカスして、自分らしく生きるヒントを見つける企画♪
今回は転職を機に移住することになった大阪にて、ひょんなことがきっかけでドラァグクイーンとしての人生を歩むことになったViViさんのジブンヒストリー。忙しなく過ぎる毎日だけどちょっと立ち止まり、様々な生き方を通して“これまでのジブン”を整理すれば、ワクワクするような“これからのジブン”像に出会えるかも。
――「女の子が好きという気持ちがない自分は?」。考え始めた性のこと、何か物足りない社会人としての生活。
広島県で生まれた私は、外で遊ぶのも家でゲームをするのも大好きな子どもでした。とにかくやんちゃで、今思えば周囲の大人の方たちに迷惑ばかりかけていましたね(笑)。地元は都会過ぎず田舎過ぎずという雰囲気、幼少期の自分にとっては過ごしやすい街だったと思います。
自分のセクシュアリティに対して考えるようになったのは、中学生になりたてぐらいの時だったかなぁ。とある男の子を好きになったとかではなく「女の子に恋愛・性的感情が湧かない自分って何なんだろう?」という疑問から、徐々にゲイであることに気づき始めたというか。
大学を卒業してからはサラリーマンとして地元に就職したものの、刺激のない退屈な日々が続くばかりで。転職を機に大阪へとやって来ました。
――様々な縁が重なり、憧れの存在であるドラァグクイーンとしてデビューしたViViさんの新しいステージ。
最初のカミングアウトは25歳の時…というよりバレました、弟に(笑)。酔った弟から電話がかかってきて「そういえば、ゲイだよね?バレバレだよ」って。その流れで「そうそう、ゲイだよ」と話をしました。実は、その数年前にお付き合いをしていた方との会話を聞かれてしまっていて。ただ、弟はそれまで何も言わずにいてくれたんです。今は弟だけでなく、両親や数人の友達にも自分のセクシュアリティについてお話をしています。
ドラァグクイーンとして活動を始めたのは、大阪へ来て二年ほど経ってから。元々、関西を拠点に活動をしているラブリアさんやOZさん、イルローザさんの存在は知っていたのですが、イベントで彼女たちの姿を見た時に「カッコイイなぁ」と憧れる気持ちが強くなりました。
それから、様々なご縁があり「一緒にステージに立ってみる?」と先輩のドラァグクイーンの方にお声がけいただいて、ViViとしてデビューをしました。今思えば、私は毎日が刺激的でやりたいことしか続かないタイプなので、当時のサラリーマン生活では刺激を求める気持ちが満たされなかったのかもしれません。
――皆さんへの感謝を忘れずに、“ViVi”という存在を通して枠組みに捉われない時代を作っていきたい。
ViViとしての活動は早いもので今年で5年目になりますが、現在は東梅田駅が最寄りのダイニングバー『do with cafe』と、天満にあるバー『LE JOUET』 で働いています。今では可愛い後輩もできて、楽しい毎日を送れていますよ。
ただ、幸せな時間の中で生きていられるのは、これまでのご縁があった上のものであるということは絶対に忘れてはいけないなと思っていて。ここまで導いてくれた方々に、今度は「ViViと出会えて良かった」と思ってもらえるような人、そして“ドラァグクイーン”という存在の認知向上に自分が少しでも貢献できるようにステップアップしていけたら嬉しいです。
「LGBT」というセクシュアリティの枠組みのようなものを超えて皆が楽しめるイベント、時代を作り上げる。それが今、描いている私の夢です。
■ プロフィール
名前:ViVi/年齢:30歳/誕生日:9月21日/職業:ドラァグクイーン/身長:173cm/体重:64kg/出身地:広島/最近ハマっていること:ドラゴンクエストのアプリゲーム/好きな食べ物:お肉、チーズ/好きな場所:家/一度は訪れたい場所:宇宙
■ Twitter@ViVi_dragqueen
■ Instagram@vivi_dragqueen
企画・取材・撮影/天野ヒカリ
編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO