よしひろまさみちの連載映画コラム/自分と向き合うきっかけをくれる名作「いまを生きる」をご紹介!

映画ライターのよしひろまさみちが、今だからこそ観て欲しい映画をご紹介するコラム「まくのうちぃシネマ」。
2本目となる今回ご紹介するのは「いまを生きる」。人種差別もジェンダー差別も上等の時代で、「自分らしさ」を描いた映画。この傑作で、自分と向き合ってみてはいかがかしら?

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89年の傑作「いまを生きる」。
この邦題考えた人、神。だって原題が「Dead Poets Society」よ。生まれて初めて邦題に感心した作品。
こんな古い作品、どうして? って思うかもしれないけど、そもそもの舞台設定も古いのよ。物語の舞台になる1959年っていったら、人種差別もジェンダー差別も上等の時代。日本は戦後14年で高度成長期に入るかは入らないかの時代よ。

規律と家柄など、自分らしく生きようにも敷かれたレールに乗らないとダメ、って育っている青年たちが、キーティング先生のおかげで初めて自分を見つめるっていうストーリー。
この名門校にとっては破天荒な教えをするけしからん先生なんだけど、説いているのは人生の真理。誰かのために生きるのではなく、自分自身の今を生きることがもっとも重要ってことを教えてくれるの。
物語の時代より格段に自由な現代だけど、でも何かにとらわれて自分を見失うことってあるでしょ。自分らしさってなんだろう、人がどういおうが変えられないものってなんだろう、ってことを改めて見つめ直すいい機会になると思うわよ。

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映画:いまを生きる
ストーリー/1959年、アメリカ・バーモント。寄宿名門校に同校のOBである新任教師キーティングが赴任する。卒業後は約束された未来を保証されている生徒達はみな、伝統と規律でがんじがらめになっていた。そんな彼らにキーティングは型破りの授業を行う。教科書は破り捨て、先入観にとらわれずに自分の声を見つけろ、と。はじめは戸惑っていた生徒達も、次第にキーティングの教えに魅了されていく。

監督/ピーター・ウィアー
出演/ロビン・ウィリアムズ、ロバート・ショーン、イーサン・ホーク、ジョッシュ・チャールズ他
販売・発売/ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
配信/Google Play、YouTubeムービー

文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96