映画ライターのよしひろまさみちが、今だからこそ観て欲しい映画をご紹介するコラム「まくのうちぃシネマ」。
3本目となる今回ご紹介するのは「バーレスク」。ありがちなサクセスストーリーながら、ゲイの心に響いたワケをお届けよん!
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劇場公開時には散々な成績だったくせに、ときを経てカルト人気爆アゲになる映画ってあるのよね。例えば日光に弱い宇宙人襲来&撃退映画「バトルシップ」とか。その手の作品で、主にゲイの皆さんの間ではアゲアゲとして知られるのが「バーレスク」。アギレラ姐さんとシェール御大という、ゲイアイコンの2巨頭共演という奇跡のミュージカルよ。
なんつってもバーレスク・ダンスのときのアギレラ姐さん生歌と、ほぼ無意味に見せ場があるシェール御大の熱唱シーンは、マジ濡れるレベル。しかも、これまた無意味にゲイが登場し(それも名作「プラダを着た悪魔」でもゲイ役だったエロハゲ S・トゥッチ)、物語自体は「いったい時代設定はいつですか?」というくらいに古くさいサクセスストーリー。
むしろ、なぜこんな豪華キャストでこの企画が通ったのか不思議ちゃん。じつはこれ、公開前に取材をしていたあたしは知ってしまいました、その裏スジ。そして、この映画がなぜ後の世のゲイ心をくすぐったのかを。
その秘密は監督。監督、じつはこの作品の製作を務めた会社で当時社長をしてた人の彼氏。おまけに、この作品の出演まで10年以上映画界から離れていたシェール御大の首を縦にふらせたのは、監督の元カレ(某レコード会社の社長でシェールのお友だち)。これでおわかりでしょう、ゲイにこの作品が響くわけが!
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映画:バーレスク
ストーリー/歌手の夢を追ってLAに来たアリは、たまたま入ったラウンジでバーレスク・ダンスに魅了される。すぐさま彼女はウェイターのジャックに頼み込んで、オーナーのテスを紹介してもらい、そこで働き始めるのだが…。
監督/スティーヴ・アンティン
出演/クリスティーナ・アギレラ、シェール、キャム・ギガンデット、スタンリー・トゥッチ他
販売・発売/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
配信/Netflix、Amazon Prime ビデオ、YouTubeムービー
文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96