【アムステルダムって、どこ?#04】19年来のカップルが営むカフェ&バー「BRUG34」が、大通りへの移転に込めた願い

アムステルダムの同性のカップルが営むBRUG34
中央がロベルトさん、右がパートナーのディルクさん

アムステルダムでの現地取材をもとに、LGBTQ+にまつわるアレコレを紹介する不定期連載企画「アムステルダムって、どこ?」。ちなみに、アムステルダムは世界で初めて同性婚が合法化されたオランダの首都なので、覚えておいて損はないよ。

第4回はカフェ&バー「BRUG34」のオーナー、ロベルトさんのもとへ。今年の初め、ローカルから観光客まで多くの人たちが行き交うユトレヒト通りへと移転したのには、彼の思いがあったと言う。

アムステルダムの同性カップルが営むBRUG34のオーナー

ーー運河沿いに佇む「BRUG34」は、あらゆる人がボーダーレスに集うホットスポット。

以前は別の場所でお店を営業してたんだけど、今年の初めに移転してきました。実はここからすぐ近くに住んでいて、ある日突然この場所の魅力に気づいてしまったんだよ(笑)。

ショッピングストリートであるユトレヒト通りのような賑わう通りに面しながらも、素晴らしい運河を臨むことができるロケーションは、なかなか無いってね。
それにLGBTQ+コミュニティ以外の人たちも一緒に楽しめる場所を作りたいという夢も、叶えられそうだと思ってさ。

アムステルダムの同性カップルが営むカフェのBRUG34

LGBTQ+コミュニティに属する飲食店の多くは16〜17時の間にオープンするのが一般的だから、日中営業をしているところは本当に少ないんですよ。でも僕は時間や場所といった点で当たり前に捉われず、ダイバーシティな空間を作り上げたいという思いもあって、日中はカフェ、そして夕方からはバーとしてオープンしています。

お店自体を好きになってくれたら、時間帯問わず足を運んでくれる人も増えるかもしれない。
そうなれば、ひとつの空間に多様な人たちが集まる瞬間も多くなるでしょ?

アムステルダムのカフェのBRUG34

スタッフはLGBTQ+当事者がほとんどですね。募集要項にしているわけではないのですが、面接に来てくれる人も当事者が多いです。自分らしくあれる安全な場所ということもあって、応募してくれるのだと思います。

店舗経営以外にも、アムステルダムのナイトライフを支えるピンクやLGBTQ+関連の飲食業がより良い方向へと進むために話し合う団体へ所属したり、PRIDE AMSTERDAMに携わったりするなど、アクティブに活動することも心がけています。例えばインタビューを受けているこの会議室は時間貸しをしているのですが、LGBTQ+コミュニティに属するグループには無料で貸出しを行っていますよ。

アムステルダムのカフェのBRUG34

もし「BRUG34」へ来る機会があれば、朝がおすすめだね。コンチネンタルブレックファーストは、観光客の方たちには楽しい体験としても旅の思い出にもなるはずさ。朝が苦手な人は、お昼にでもビターバレンやクロケットを食べに来るといいよ。
週末の夜はたくさんの人で溢れかえるけど、運が良ければアムステルダムで一番のテラス席へと案内できるから、お酒が好きな人はぜひ立ち寄ってくれたら嬉しいかな。

え? ディルクと19年間一緒にいるのに、なぜ結婚をしないのかって? 急だね(笑)。理由なんかないさ、それも選択肢の一つとして与えられている国だからね。

■BRUG34
https://www.brug34.nl/
Utrechtsestraat 19 1017 VH Amsterdam
営業時間:月〜水8:00~22:00、木〜土8:00〜25:00、日9:00〜22:00(定休日なし)
Instagram@brug34_amsterdam

取材・文/芳賀たかし
写真/EISUKE
通訳/桑原果林(ソウ・コミュニケーションズ)
協力/駐日オランダ王国大使館、ダッチ・カルチャー
記事制作/newTOKYO
※本取材は駐日オランダ王国大使館が実施するビジタープログラムの一環として行いました。