2021年カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞受賞、 2022年アカデミー賞国際長編映画賞オーストリア代表作品 「Great Freedom」を邦題『大いなる自由』として、6月に新オープンとなるBunkamura ル・シネマ渋谷宮下にて 7月7日(金)より公開されることが決まった。
Bunkamuraル・シネマの編成担当が「見過ごされてはならない映画」だとして、自社買付・初の全国配給を決めた本作は、第二次大戦後ドイツで男性同性愛を禁ずる「刑法 175 条」のもと、「愛する自由」を求め続けた男の 20余年にもわたる闘いを描いた、静かな衝撃作。
ーーこの手に自由を、消せない愛を。性的指向を理由に繰り返し投獄される主人公ハンスと、殺人犯ヴィクトールの行く先は。
舞台は第二次世界大戦後のドイツ。1871年から1994年までの123年間施行された刑法175条は、ナチス時代に厳罰化され処罰者は14万人にも及んだ。 自身の性的指向を理由に繰り返し投獄される主人公ハンスを演じたのは、ドイツ映画賞主演男優賞に輝き『希望の灯り』(18)などで大きな印象を残した次世代スターで、ダンサー・振付師でもあるフランツ・ロゴフスキ。
非人道的な法に踏み躙られながらも愛を諦めないハンスの 、消えない炎のような魂を、少ない言葉と雄弁な身体で表現している。そして、 当初は同性愛者であるハンスを嫌悪しながらも、次第に心をほどいていく殺人犯ヴィクトールを演じたのは、「Bright Nights」(17・未)で第67回ベルリン国際映画祭最優秀男優賞を受賞した演技派ゲオルク・フリードリヒ。
刑務所という特殊な環境下で育まれる唯一無二の関係性を、絶妙な距離感で具現化した二人のケミストリーは、海外メディアから「言葉はいらない。この二人がいればいい」( DEUTSCHLANDFUNK KULTUR ) 、「傑出した俳優たちによる、力強く忘れがたい物語」(LE POLYESTER)などと称賛され、高い評価を受けている 。
Bunkamura ル・シネマ編成担当は「パンデミック下、2021年5月のカンヌ国際映画祭。現地参加を見送りオンラインで試写した本作には、編成チーム一同ぜひ上映したい!と魅了されました。公開方法を模索するなか、昨年7月にレインボー・リール東京で再見。スクリーンで、そして日本語字幕付きで観ると、ますます「見過ごされてはならない映画」だと確信し、自分たちで全国配給することを決めました」とコメントを寄せている。
監督・脚本は 、オーストリア人監督のセバスティアン・マイゼ、撮影監督は『トムボーイ』(11)や『ガールフッド』(14)で知られるクリステル・フルニエ 。映画批評サイト「RottenTomatoes」 では、97フレッシュという高評価を獲得(2月7日時点)、 2022年レインボー・リール東京でも「超絶大傑作」 「あまりに衝撃的なラスト」など絶賛が相次ぎ、劇場公開を望む声が多く寄せられていた。あまりに不条理な迫害の歴史の中で、愛と自由の本質を見つめた本作は今、この時代に観るべき作品の一つと言える。
■大いなる自由
2023年7月7日(金)より全国順次公開
https://greatfreedom.jp
Twitter@greatfreedomjp
Instagram@greatfreedomjp
<STORY>
この手に自由を、消せない愛を。第二次世界大戦後のドイツ、男性同性愛を禁じた刑法175条の下、ハンスは自身の性的指向を理由に繰り返し投獄される。同房の殺人犯ヴィクトールは「175条違反者」である彼を嫌悪し遠ざけようとするが、腕に彫られた番号から、ハンスがナチスの強制収容所から直接刑務所に送られたことを知る。己を曲げず何度も懲罰房に入れられる「頑固者」ハンスと、長期の服役によって刑務所内での振る舞いを熟知しているヴィクトール。反発から始まった二人の関係は、長い年月を経て互いを尊重する絆へと変わっていく。
2021年/オーストリア、ドイツ/116 分/1:1:85/カラー/原題: Große Freiheit/英題: Great Freedom監督・脚本:セバスティアン・マイゼ/共同脚本:トーマス・ライダー/撮影監督:クリステル・フルニエ/編集:ジョアナ・スクリンツィ /音楽:ニルス・ペッター・モルヴェル、ペーター・ブロッツマン/出演:フランツ・ロゴフスキ、ゲオルク・フリードリヒ 、トーマス・プレン 、アントン・フォン・ルケ ほか/配給Bunkamura ©2021FreibeuterFilm•Rohfilm Productions
記事制作/newTOKYO