7月公開の映画「スーパーノヴァ」で描かれる、ゲイカップルが辿り着いた真実の愛とは?

スーパーノヴァ(超新星)
星はその一生を終えるとき、永遠に忘れられない輝きを放つ──。

『英国王のスピーチ』アカデミー賞主演男優賞受賞のコリン・ファース×『ラブリーボーン』助演男優賞ノミネートのスタンリー・トゥッチ。
映画界が誇る実力派俳優であり、長年の友人でもある2人が魅せる、2021年で最も美しい愛の物語。

* * * * *

ある朝、キャンピングカーに乗って旅に出かけるピアニストのサム(コリン・ファース)と作家のタスカー(スタンリー・トゥッチ)。
20年来のパートナーらしく、相手の余計なおせっかいを面倒くさそうにあしらい皮肉交じりの会話をしながらも、何気ない彼らの仕草から互いのことをよく理解しているのが伺える。

徐々に記憶を失う病を抱え、残された時間が少ないタスカーたっての希望で、久しぶりに開かれるサムの演奏会が旅の終着点。
その会場に向かう途中で、二人の思い出の場所やサムの実家を訪れていく。しかし、タスカーが旅に出た本当の目的は別にあった──。

パートナーと生涯を共に歩むと誓った人にとって、この物語はもしかしたら将来向き合うことがあるかもしれない問題を描いている。
愛する人を忘れ、愛そのものを忘れ、いずれ自分ではなくなっていく不安。
愛する人が別人になってしまうとしても最後まで共に過ごしたいと願う想い。

この物語に登場人物は少ない。大きな事件が起こることもないが、人間関係がとても丁寧に描かれている。例えば、同じ食卓を囲んでいても、サムが好んで飲むのは赤ワインで、タスカーは白。
長年共に暮らしていても、それそれが自分の時間を大切にし、お互いにリスペクトしてきた過去を象徴している。

LGBT作品ではひとつのジャンルとして定着しているロードムービーなのだけれど、その多くは名作と呼ばれるものばかり。
長年連れ添ったゲイカップルが若年性認知症を通して、どう向き合っていくのか……、今作「スーパーノヴァ」もまた、名作のひとつとして語り継がれていくことだろう。

旅になぞらえた人生の最後に、星のように鮮烈な輝きを放つスーパーノヴァ。
貴方にもその輝きをぜひ体験してほしい。

◆ストーリー
ピアニストのサムと作家のタスカー、20年来のパートナーである二人がキャンピングカーで旅に出る。
最初の目的地は、二人が出会った頃に訪れた思い出の場所だ。次に向かったのは、サムの姉夫婦が暮らす実家で、タスカーがサムのために企画したサプライズパーティに懐かしい友人たちが集まる。ユーモアとウィット、何より愛に溢れた時間を慈しむ2人。
だが、ゆっくりと記憶をなくしていくというタスカーの病が、かけがえのない過去と添い遂げるはずだった未来を消し去ろうとしていた。
ついに2人は旅の最終地点、サムの演奏会を開く地へと向かうのだが──。

◆スーパーノヴァ
2021年7月1日(木)TOHOシネマズシャンテ他、全国順次ロードショー
https://gaga.ne.jp/supernova/

2020年/イギリス/ビスタサイズ/95分
提供:カルチュア・パブリッシャーズ 、ギャガ
配給:ギャガ
© 2020 British Broadcasting Corporation, The British Film Institute, Supernova Film Ltd.

記事制作/みさおはるき(newTOKYO)

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