LGBTQなどのセクシュアルマイノリティをテーマとした映画祭『レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜』が今年開催30回を迎える。記念すべき30回目の開催となる今回は、東京2会場(シネマート新宿・スパイラルホール)大阪1会場(シネマート心斎橋)にて、2022年7月8日(金)からスタートし、全10作品がラインナップ。
日本初上映作品も豊富に揃い、セクシュアルマイノリティの人たちの育んできた豊かなカルチャーに気軽に触れる貴重な上映イベント、ぜひ気になる作品はこの機会に鑑賞してみてはいかがだろう?
ーー背中を押してくれる、世界各国のLGBTQ作品10本を上映
●スウィートハート(英題:Sweetheart)
監督:マーリー・モリソン/2021年/イギリス/103分/英語/日本初上映
ストーリー・解説/AJ(エイプリル)は人付き合いが苦手で環境問題に頭を悩ませる不機嫌なティーンエイジャー。母のティナは停学になったAJを家族旅行に連れていくが、Wi-Fiもない海辺のキャビンで1週間も過ごすなんてAJにとっては拷問でしかない。サイテーな休暇を覚悟していたAJだったが、自由気ままなライフガードのアイラと出会い、次第に心を開いていく。芽生えかけた恋心とコンプレックスの狭間で苦悩するAJの休暇の行方は…?
●アグネスを語ること(英題:Framing Agnes)
監督:チェイス・ジョイント/2022年/カナダ・アメリカ/75分/英語/日本初上映/後援:在日カナダ大使館
ストーリー・解説/1958年に性障害に関するUCLAの研究に参加したトランス女性のアグネス。彼女の存在は長年例外だと思われてきたが、2017年に他の参加者の未公開の記録が発見される。本作は、その記録の内容をトランスジェンダーの文化人が再現することで、トランスの歴史とその語られ方について再考を迫るドキュメンタリー。『ノー・オーディナリー・マン』(第29回上映)のチェイス・ジョイント監督が短編映画『アグネス ~過去から今へ~』を長編化した。
●遠地(英題:A Distant Place/原題:정말 먼 곳)
監督:パク・グニョン/2020年/韓国/119分/韓国語
ストーリー・解説/姪を育てながら田舎の牧場で静かに羊飼いとして働いているジヌ。素朴ながらも満たされた生活を送っていた二人の元に、ジヌの大学時代の恋人と、姪の母親である双子の妹がやってくる。彼らの来訪によって生活が一変したジヌは、愛と家族にまつわる人生の選択を迫られることになる。哀愁を帯びた牧場の映像美に魅せられる、韓国の新鋭パク・グニョンによる叙情あふれる人間ドラマ。
●ロザリンドとオーランドー
(英題:As We Like It/原題:揭大歡喜)
監督:チェン・ホンイー(陳宏一)、ウェイ・インチェン(魏瑛娟)/2021年/台湾/107分/北京語・台湾語/日本初上映
ストーリー・解説/近未来の台北・西門町。行方不明の父親を捜すために外国から戻ったロザリンドは、レーシングドライバーのオーランドーと出会い、互いにひと目惚れ。しかし、真実の愛を信じていないロザリンドは男性に変装し、オーランドーの気持ちを試すことに…。『キャンディレイン』(第18回上映)のチェン・ホンイー監督が舞台演出家のウェイ・インチェンと組み、シェイクスピアの喜劇「お気に召すまま」をオール女性キャストで大胆に脚色。
●サブライム 初恋の歌(英題:Sublime)
監督:マリアーノ・ビアシン/2022年/アルゼンチン/100分/スペイン語/後援:アルゼンチン共和国大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京
ストーリー・解説/海辺の小さな町に住む16歳のマヌエルは、親友たちと組んだロックバンドでベースを弾いている。バンドのメンバーの一人であるフェリペとは、幼い頃から固い友情で結ばれていた。ガールフレンドとの初体験を迎えようとした時、マヌエルはフェリペに対する友情とは異なる気持ちに気づくが、関係が壊れることを恐れて一歩を踏み出せず…。思春期の少年のセクシュアリティの目覚めを繊細に描いた青春ドラマ。ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門出品作。
●フィンラディア(英題:Finlandia)
監督:オラシオ・アルカラ/2021年/スペイン・メキシコ/97分/スペイン語/日本初上映/後援:駐日スペイン大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京
ストーリー・解説/スペイン人ファッションデザイナーのマルタは、民族衣装の流行に目をつけた上司の命令でメキシコのオアハカに送り込まれる。デザインの盗用のため市場でリサーチを始めた彼女は、刺繍で生計を立てる「ムシェ」(第三の性)の人々と出会い、差別を受けながらも情熱的に生きる彼らの姿に感化されていく。雑誌「VOGUE」の表紙を飾ったことでも話題になったムシェ。その色鮮やかな文化をマジックリアリズム的にとらえた映像美が光る一作。
●秘密のふたり
(英題:Besties/原題:Les Meilleures)
監督:マリオン・デセーニュ=ラヴェル/2022年/フランス/80分/フランス語/日本初上映
ストーリー・解説/ネジュマはパリの公営団地で母と妹と暮らすアルジェリア系移民のティーンエイジャー。同じ移民仲間のグループとつるんでいる彼女は、敵対するグループのジーナと夏休みに地元のコミュニティセンターで出会う。互いに惹かれていきながらもグループ同士の対立により近づけない二人は、団地の屋上で夜な夜な密会を続けるが、やがて現実と向き合う時が来る。少女たちの葛藤を鮮烈に描いた現代のガールズ版「ウエスト・サイド物語」。
●大いなる自由
(英題:Great Freedom/原題:Große Freiheit)
監督:セバスティアン・マイゼ/2021年/オーストリア・ドイツ/116分/ドイツ語、英語/日本初上映
ストーリー・解説/戦後ドイツ、性的指向を理由にハンスは繰り返し刑務所へと送られる。刑法175条によって男性同性愛が禁止されるなか、ハンスは愛する自由を刑務所で探し求めていく。主人公を演じるのは『ヴィクトリア』(2015)や『未来を乗り換えた男』(2018)でドイツ映画になくてはならない存在となったフランツ・ロゴフスキ。第74回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の審査員賞を受賞した本作は、世界各国の映画祭で上映され話題を呼んだ。
●沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!〜
(英題:Okinawa Coming out Chronicles “Mama” Katsuki’s Hug-Filled Road Trip)
監督:松岡弘明/2021年/日本/103分/日本語
ストーリー・解説/「大好きな家族には、いつかカミングアウトしたいと思ってた」と語るのは、新宿二丁目の老舗ゲイバー「九州男」の二代目店主、かつきママ(川田美輝さん)。自分らしく生きるために、故郷の沖縄を離れた20代後半。それから10年後、両親にゲイであることをカミングアウトし、戸惑わせ、悩ませた。そして今は「一番仲がいい」と言えるまでになった。現在の家族のカタチになるまで、一体どんな対話があったのか。どうやって分かり合えたのか。故郷の沖縄県那覇市を巡りながら、家族・友人らとカミングアウトした当時を振り返り、今だから言える気持ちを語り合う。
●ボクらのホームパーティー
(英題:Our House Party)
監督:川野邉修一/2022年/日本/80分/日本語
ストーリー・解説/都内で開かれたゲイオンリーのホームパーティー。集まったのは、大学生の智也、ゲイバー店子の将一、ゲイクラブ店員の直樹とその友達の正志、カメラマンの健一、そしてパーティー主催者カップルの彰人と靖。飲んで、食べて、騒いで、笑って、泣いて、また飲んで、楽しいパーティーは永遠に続く…はずだった。それぞれが日頃心に溜め込んでいたウップンが爆発し、パーティーは最悪の結末を迎える展開だったが…。
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■第30回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
>シネマート新宿/7月8日(金)~7月14日(木)
>シネマート心斎橋/7月15日(金)~7月21日(木)
>スパイラルホール/7月16日(土)〜18日(月・祝)
※詳細などは公式サイトをご確認ください。
https://rainbowreeltokyo.com/2022web
https://twitter.com/RRT_TILGFF
https://www.instagram.com/rainbowreeltokyo/
https://www.facebook.com/RainbowReelTokyo
記事協力・素材提供/レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
記事掲載/newTOKYO