職場と暮らしのリアルを6,593人の声から可視化。「LGBTQの仕事と暮らし白書2026」が公開!

LGBTQを取り巻く環境は、日本でもここ数年で大きく語られるようになった。パートナーシップ制度の広がりや企業のダイバーシティ推進、そして2023年の「LGBT理解増進法」の施行など、制度や言葉の上では“前進している”という印象を持つ人も多いだろう。

しかし、その変化は日常生活にまで届いているのか。
認定NPO法人・虹色ダイバーシティが、2022年から2024年にかけて実施した調査をまとめた「LGBTQの仕事と暮らし白書2026」が公開された。累計6,593人の回答を分析した本調査は、職場や生活の現場における当事者の実感を可視化したものだ。 

白書が示すのは、「理解が進んでいる」という社会のイメージと、当事者の実感の間にあるギャップである。
法律や制度の整備が進みつつある一方、心理的安全性やメンタルヘルスは停滞、あるいは悪化の傾向もみられ、行政・企業・教育機関を含めた幅広い対策の必要性が指摘された。

象徴的なのが職場環境だ。
LGBT理解増進法の施行後も、LGBTQに関する具体的な取り組みが「何も行われていない」と答えた職場は半数以上にのぼる。福利厚生で同性パートナーを配偶者として扱う制度や、トランスジェンダー従業員へのサポートなど、当事者が求める施策は十分に進んでいない状況が明らかになった。

さらに、学校や職場でのトランスジェンダーに対する否定的な発言は3年間で増加しており、差別的言動の改善もみられなかった。SNS上の排他的な言説が、現実の人間関係や職場環境にも影響を及ぼしている可能性が指摘されている。

メンタルヘルスの面でも課題は深刻だ。
当事者の精神的な不調は非当事者の2倍以上とされ、特定の属性では約3人に1人が深刻な状態に該当する結果となった。制度整備だけでは、安心して暮らせる環境の改善には直結していない現実が浮かび上がる。

一方で、この白書は「困難」のみを示すものではない。
同性婚が実現した場合、当事者の43%が「同性と結婚する」と回答しており、法制度が生活設計や人生の選択に大きな影響を与えることも明らかになった。結婚は単なる権利の問題にとどまらず、同居や引っ越し、生活の安定といった日常そのものに関わるテーマであることが読み取れる。

今回の白書が提示しているのは、「理解」という言葉だけでは測れない現実だ。制度・社会・職場・人間関係。そのすべてが重なり合うなかで、LGBTQの人々が安心して生きられるかどうかは決まっていく。

社会が変わっているかどうかは、法律の数ではなく、日常の中で感じる安全や尊重によって測られる。この調査は、その現在地を静かに映し出している。

なお、2026年2月19日、厚生労働省の記者会見室で本白書の発表会見が行われた。会見では、虹色ダイバーシティ理事長の村木氏が調査結果の分析とともに、いくつかの課題を指摘した。

近年、インターネット上に限らず学校や職場といった現実の場面でも、トランスジェンダーに関する否定的な言説が増加していることを踏まえ、教職員や管理職が適切に対応できる体制づくりの必要性を提言。また、LGBTQ施策の不足によりカミングアウトに慎重にならざるを得ない状況が、当事者の心身の健康や社会的つながりの回復を妨げているとし、地域の支援団体や相談先の整備の重要性にも言及した。

さらに、高齢化が進む社会の中で、法的に不安定な家族関係に置かれている当事者にとって、同性婚の法制化は生活の安定や社会的可視化の観点から重要な課題であるとの認識が示された。

LGBTQの仕事と暮らし白書2026
※LGBTQの仕事と暮らし白書2026」の全文では、就業形態や職種、労働時間に関する詳細な調査結果の他、健康やスポーツ、コミュニティ活動への参加状況など、より幅広い項目についての分析・考察が公開中。
https://nijibridge.jp/wp-content/uploads/2026/02/nijiVOICE-whitepaper-2026.pdf

素材提供/認定NPO法人・虹色ダイバーシティ
記事制作/newTOKYO

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