【世紀の4K大復活】僕たちのバイブル、橋口亮輔の『ハッシュ!』『ぐるりのこと。』がスクリーンに帰ってくる!めんどくさいリアルと生きていくためのサバイバル・ガイド

ぶっちゃけ、誰かと生きるのって超めんどうくさい。だけどさ、独りじゃないって、やっぱりちょっといいじゃない?

SNSで消費し合う人間関係や、AIの発達、そんな2026年の現代。パンデミックを経て「他者との関係」が希薄になりがちな今だからこそ、私たちの胸にド直球で刺さる最高にエモーショナルな処方箋がスクリーンに蘇る。

1993年のデビュー以来、国内外の映画ファンを魅了し続ける“寡作の名匠”・橋口亮輔監督。 彼のキャリアの金字塔であり、私たちの「オールタイム・ベスト」として人生の棚の特等席に鎮座し続けている傑作2本が、まさかの鮮烈な4Kリマスターで大復活!

製作から25年(四半世紀!)を迎える『ハッシュ!』と、公開から18年が経った『ぐるりのこと。』。時代を先取りしすぎていたあの圧倒的な熱量と息遣いが、いま、劇場の暗闇で再び覚醒する!

私たちのリアル、新しい「家族」のハジマリ

土木研究所で働く勝裕(田辺誠一)はゲイであることを周囲に隠して生きている。ペットショップで働く直也(高橋和也)は明るくゲイライフを満喫しているが、どこか虚しさを抱えている。歯科技工士の朝子(片岡礼子)は自己肯定感の低さから愛のないセックスを繰り返し、孤独感を募らせていた。 カップルとなった勝裕と直也のもとに、朝子が現れ「あなたの子どもがほしい」と持ちかける。付き合ってとか結婚とか、既存のシステム(枠組み)なんかじゃない。他者と深く関わることから逃げていた三人が、泥臭く模索する「新しい家族のかたち」。2001年のカンヌを熱狂させた、あまりにも早すぎた大傑作。

  • 栗田勝裕 役 ── 田辺誠一
     『ハッシュ!』は自分を支えてくれる大切な作品です。カンヌ映画祭では熱く迎え入れられ、映画は国境を越えて通じるんだなと実感して嬉しくなりました。今でも若い役者や海外の方に『ハッシュ!』を褒めてもらうことが多く、本当に時間を越えて登場人物の熱が伝わっているんだなと実感します。リマスターのきれいな映像と大きなスクリーンで新たに見えてくる部分もあるので、今回の上映が楽しみです。
  • 長谷直也 役 ── 高橋和也 
    『ハッシュ!』公開当時(2002年4月)、僕はまだ33歳くらい。まだまだ若くてやる気も夢もたくさん持っていました。「長谷直也」という役は僕の分身のような役でした。俳優として挑戦のしがいもあったし、愛すべき役でした。でも僕はあの映画を見返す事はありませんでした。撮影時、監督とぶつかることもあったし、ゲイの青年を演じることで感じた世間の目や味わった生々しい痛みがそうさせたのかもしれません。今になって思うのは「もう一度あの映画を見てみたいな」ってこと。願わくば映画が今も尚変わらない魅力を放っていますように!
  • 藤倉朝子 役 ── 片岡礼子 
    映画『ハッシュ!』への思いは溢れ過ぎてどこをお伝えすれば良いか分かりません。初めて橋口監督から台本を事務所に送りました。と、ご連絡を受けその足で受け取りに行き読み号泣したこと。そこからの準備期間と撮影中に起きたこと。初めて橋口監督のスーツ姿に見惚れたカンヌ国際映画祭。何があっても映画の女神が微笑む時を橋口組チーム全員で信じ一丸となって乗り越えて来たという思い。強い思いでへとへとになり空回りする片岡の手綱を引いていただきゴールできたこと。(中略)私の原点です。

絶望の淵で、ただ隣に居続けること

我が子の死、そしてうつ病の底に落ちていく妻・翔子(木村多江)。彼女の手を絶対に離さないと決めた法廷画家の夫・カナオ(リリー・フランキー)。 90年代の狂った社会事件を背景に、ただ寄り添い続けた夫婦の10年。『ハッシュ!』の後に自らうつを経験した橋口監督が、身を削りながら導き出した「人と人の繋がりにしか、希望なんてない」という泥臭くも絶対的な真理。

  • 妻・翔子 役 ── 木村多江 
    私にとっては宝物のような大切な作品。またみなさんの元に届くのはとても嬉しいです。撮影中は役と同化してしまい苦しかったのですが、橋口監督が私を役者にしてくださいました。またリリーさんをはじめ、すごいキャストが集まっていて見返すとびっくりしてしまいます。生きづらい世の中で、また明日の自分を見てみようと、背中を支えてくれるような作品です。是非またたくさんの方に届きますように。
  • 佐藤カナオ 役 ── リリー・フランキー 
    この映画は、人の人生を優しく動かす力がある。僕も背中を支えられた、そのひとりです。

橋口監督コメント

「かつて山田洋次監督が、『ハッシュ!』について「役者が演出通りにちゃんと演技している」と評されたことがあり、当時は当たり前のこととピンとこなかった。今回、4Kリマスター作業のために2作品をしっかり観直して、その意味が初めて分かった気がする。4Kの鮮明な画像により、演者陣の非常に繊細で卓越した演技を隅々まで確認することが出来て自作ながら感動した。人との繋がりを求めて悩み傷つきながら、それでも前向きに人生をつかみ取ろうとする人々を描いた2作品。(以下略)」

あの山田洋次監督に「役者が演出通りにちゃんと演技している」と言わしめたディレクションの凄みが、4Kという超高解像度のスクリーンを通して、演者たちの指先、視線の震え、毛穴の1つにまで克明に浮かび上がる。

綺麗にパッケージされた「多様性」なんて言葉じゃ収まらない、人間のエゴも、愛おしさも、孤独も、全部ぶち込まれた2作品。劇場の大音響と大スクリーンで、あの時代の、そして僕たちの「地続きのリアル」を五感で感じに行こう。

◾️映画『ハッシュ!』『ぐるりのこと。』4Kリマスター版
7月24日(金)よりシネマート新宿、シネスイッチ銀座、渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開。
https://www.bitters.co.jp/hashiguchifilm_4k/

素材提供/ビターズ・エンド
記事制作/newTOKYO

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