映画「ナイアド 〜その決意は海を越える〜」で、信頼し合う人々の力を結集することで、より大きなことを成し遂げることができる気づきを貴女に。

映画ライターのよしひろまさみちの映画レビュー

映画ライターのよしひろまさみちが、
今だからこそ観て欲しい映画をご紹介するコラム

「まくのうちぃシネマ」第53回目

今回はレズビアンが主人公でーす。
Netflixで配信中の『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』って映画。これ、ビアンさんが主人公ってだけで、ジェンダーに関わらず元気になる作品。米アカデミー賞では主演&助演女優賞にノミネートされましたー。パチパチ。

ダイアナ・ナイアドさんってマラソンスイマー、ご存知かしら? 彼女の伝記映画ね。ちょっとググれば大量に資料が出てきますのでご参考に。
で、そのナイアドさんは、約30年間ありとあらゆる「ありえねーマラソンスイミング」に挑んできたんだけど(例えばマンハッタン島一周とか)、60歳になって「あ、そうだ。あたし、一つ失敗しっぱなしで完遂してないプロジェクトあったわ」と思い立って、ビジネスパートナーのボニーさんとともにそれに挑むというのがあらすじ。

よしひろまさみちの「ナイアド」の映画レビュー

それがな……なんとフロリダ海峡横断。
キューバからフロリダですよ。海峡といいつつほぼ外洋で、サメやクラゲがうようよ。これ、挑んで成功した人もいるんだけど、だいたいがサメよけのケージを使うのね。ところが、「せっかくやるなら、サメよけなしでやりなおし!」というのがナイアドさんのこだわり。もはや意味不明。しかも還暦よ。

もちろん一度じゃ成功せず、何度かトライするんだけど、んまーこのプロセスが壮絶。
いや、もう無理っしょ、ってことだらけなのよ。それでもあきらめませーん、ナイアドさん。

よしひろまさみちの「ナイアド」の映画レビュー

なにかに挑戦するのに年齢なんて関係ないし、誰かの手を借りることの大事さを教えてくれるのよ〜。ほれ、泳ぐのは一人だけどチームで完璧にサポートし合いながらやらないと成功は無理ってことね。

これって水泳に限らず、なんでもそうなのよね。信頼し合う人々の力を結集することで、より大きなことを成し遂げることができるってこと。いやー、当たり前のことながら、こう極端な実話がベースだと説得力絶大よ。

ちなみにナイアドさん、相当強烈なキャラ。映画ではそれも出てくるけど、最後に出てくる本人映像見たら「これでも薄めてるんか!」と驚くはずよ〜。

ナイアド 〜その決意は海を越える〜
監督:ジミー・チン、エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ
出演:アネット・ベニング、ジョディ・フォスター、リス・エヴァンス ほか
配信:現在、Netflixにて独占配信中

文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96