コメディだけどめちゃ胸熱! 映画「ネクスト・ゴール・ウィンズ」で、初のトランスジェンダー選手に学ぶ生き方。

映画ライターのよしひろまさみちの映画レビュー

映画ライターのよしひろまさみちが、
今だからこそ観て欲しい映画をご紹介するコラム

「まくのうちぃシネマ」第54回目

競技スポーツ好きな人〜!
申し訳ないのですが、あたしは水泳しかしたことがなく、陸の上、ましてや玉転がしは苦手です。特にサッカー……苦い思い出が(ボールが来ないようなところにわざわざ逃げてたのに飛んできてアタックしてしまい、大敗を喫した小学生時代)。とはいえ、映画は別です。

しかも、競技スポーツでトランスジェンダー選手の道筋を作った人が出てくる映画とあっては紹介しないわけにはいきませぬ。それが『ネクスト・ゴール・ウィンズ』。日韓共催で話題になった2001年のFIFAワールドカップの予選で0対31で大負けした米領サモア代表チームのお話です。

よしひろまさみちの「ネクスト・ゴール・ウィンズ」映画レビュー

内容はググってちょーだい。なんなら、元ネタになったドキュメンタリー映画『ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦』(’14)も配信されているのでぜひ。

ここで注目はジャイヤというキャラ。
彼女、ポリネシア文化では「ファファフィネ」と呼ばれているトランスジェンダーなんですね(これまたユニークな文化なので、ぜひこちらも調べてみて)。で、FIFAワールドカップの公式試合に正式に選手として出場した初のトランスジェンダー。彼女のライフスタイルやファファフィネの概念、社会への溶け込み方などなど、めちゃ目からウロコなの。

よしひろまさみちの「ネクスト・ゴール・ウィンズ」映画レビュー

監督に聞いたところ、彼女は今、FIFA平等親善大使(Ambassador of Equality)兼スポークスパーソンを務め、LGBTQ+コミュニティーを代表し、不平等や地位向上といったことに働きかけているそうな。
彼女なくして他の競技スポーツでのジェンダー&セクシュアル・マイノリティの権利向上はなかったってこと。軽快なコメディだけど、めちゃ胸熱な構成なのでぜひスクリーンでご覧になってね。

ネクスト・ゴール・ウィンズ
監督・出演:タイカ・ワイティティ
出演:マイケル・ファスベンダー、カイマナ、オスカー・ナイトリー、ウィル・アーネット、エリザベス・モス ほか
公開:2024年2月23日より全国ロードショー
https://www.searchlightpictures.jp/movies/nextgoalwins

文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96