シスターフットとマイノリティ。映画「ウィキッド 永遠の約束」で長いものに巻かれる危険性に、気づきを。

映画ライターのよしひろまさみちが、
今だからこそ観て欲しい映像作品をご紹介するコラム
「まくのうちぃシネマ」第79回目

ウィキッドのファンのみなさま、1年間よく我慢しました〜! 第二幕こと後編の『〜永遠の約束』が絶賛公開中よ。できるだけいい音響・映像で観るためには、劇場へ走って! じゃないとラージフォーマット上映終わっちゃうから。

ファンのみなさまはご存知だと思うんですが、すでにご覧いただいた方でモヤモヤしている方もいらっしゃると伺っております。なんせ第一幕こと前作が名曲中の名曲「Defying Gravity」であからさまに王道ミュージカルのエンディングだったから、今回の暗さに驚いた方もいらしたでしょう。

でもね、今作の暗さも視点を変えて観ると、あら不思議。めちゃクィアなんですわ。そもそも『オズの魔法使』(39)の前日譚ですから、当たり前っちゃ当たり前なんですが。
あ、『オズの魔法使』をご存じない方はぜひご覧になって。少女が世界を救うジブリ的なジュブナイルだけど、ありとあらゆるところにマイノリティを輝かせる仕掛けがあって長年支持されている傑作ですんで。

今作で注目していただきたいのは「長いものに巻かれる」危険性なのよ。みんなが言ってるからこれで〜、っていう安易な考えが多数になったときに起きる悲劇。そして、それによって引き裂かれる友達以上の存在。それをシスターフッドとマイノリティの文脈で描いたのがこの作品なのね。

いや、空気読むの大事だし、社会には協調性も必要だけど、何か大きな動きに飲まれるのは正しいことですか? と問いかけてるの。その場の熱狂に飲まれると、あとあと自分たちにツケが返ってくることは、歴史上で何度も繰り返されているってこと、頭においてこれを観るとよきよ(そしてジョナサン・ベイリーのかわいさにも浸っていただきつつ)。説教じみててごめんなさいねー!

ウィキッド 永遠の約束
監督:ジョン・M・チュウ
出演:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ミシェル・ヨー ジェフ・ゴールドブラム ほか
配信:現在、全国ロードショー中
https://wicked-movie.jp/

文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96


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主にセクシュアリティ・ジェンダーの分野で執筆をしながら、ダンサーとしても活動するレズビアン当事者の山﨑穂花さん。「わたしとアナタのための、エンパワ本」では毎月、彼女の本棚の中から、自信や安心、ありのままの尊さを教えてくれた本(=エンパワ本)を、“気付きの一文”を添えて3冊紹介。 第6回は、かつての新宿二丁目を映し出す本を紹介。今やLGBTQ+タウンとして知られる新宿二丁目だが、実は赤線地帯として栄… もっと読む »

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