クィアコミュニティで過ごすことになった男子高校生の青春を描く映画「あの夏のアダム」1週間限定レイトショー!

ドラマ『トランスペアレント』のプロデューサー&監督のリース・アーンストによる長編デビュー作『あの夏のアダム』が、2023年4月22日(土)〜28日(金)まで、東京・渋谷「シアター・イメージフォーラム」にて1週間限定で公開される。

本作は、2000年代のアメリカを舞台に、夏休みを突如ニューヨークのクィアコミュニティで過ごすことになった男子高校生・アダムの青春を描いた作品。
結婚の平等を訴える集会、女性限定のSMクラブ、「Lの世界」を見るパーティなど、初めて触れる刺激的なブルックリンのクィアコミュニティを通して、ひと夏の成長をコメディタッチに描く。

ーーLGBTQ+当事者だからこその描写とリアルな視点。

監督は、Amazonプライム製作のドラマ『トランスペアレント』(70歳の父親がトランスジェンダーであることをカミングアウトした家族の物語を描いたコメディ作品)のプロデューサーで自身でも映画制作を続けてきたリース・アーンスト。
スマートフォンもまだなかった2006年にブルックリンに住んでいた彼は、トランスジェンダー男性として、原作小説におけるトランスジェンダーの人々への眼差しをより当事者に寄り添った描写に変換し脚本を仕上げ、若者たちの生み出すクィアカルチャーをぎこちなかった部分も含め内側からの視点で描いている。

アーンスト監督は、LGBTQ+カルチャーの歴史に厚みがあるニューヨークのトランスジェンダーの当事者ですら、自分たちを説明する言葉の使い方を試行錯誤していたと2000年代中頃を振り返る。

製作陣には『ブロークバック・マウンテン』などのジェームズ・シェイマスや『ショートバス』などのハワード・ガートラーらが名を連ねる。

主人公アダムの破天荒な姉・ケイシーは、本作発表後に製作れたNetflixドラマ『メイドの手帖』やタランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で話題のマーガレット・クアリーが演じ、アダムが恋をするジリアン役は遠藤麻衣子の『TECHNOLOGY』やドラマ『アイ・ラブ・ディック』のボビー・サルボア・メネズがみずみずしく演じている。

その他、ニュアンスあふれる本作にはトランスジェンダーのキャラクターたちが多く登場し、実際にトランスジェンダーやノンバイナリーの俳優が鮮やかに演じている点にも注目したい。

ものがたりは2006年。全米レベルで同性婚が合法化される10年近く前、黒人大統領の登場がまだ想像し難かった時のアメリカ。ぎこちない思春期を生きる高校生のアダムは親から逃れ、姉のいるニューヨークで夏休みを過ごすことにした。

レズビアンの姉ケイシーとともに初心なアダムは都会の刺激的なレズビアンやトランスジェンダーの人々の運動やカルチャーに足を踏み入れる。そして、そこで出会った年上のジリアンに一目惚れ…。
しかし、アダムは彼女からトランス男性と勘違いされてしまう。訂正する機会を逃していくうちに関係は深まり、ブルックリンのクィアコミュニティでの経験も増やしていくアダムの状況は、どんどん複雑になっていく……。

■あの夏のアダム
日時|2023年4月22日(土)〜28日(金)
劇場|シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区渋谷2-10-2)連日21:00より上映開始
※プライドウィークである4月22日(土)本編上映後に、本作出演のボビー・サルボア・メネズが登壇予定
https://normalscreen.org

監督:リース・アーンスト/出演:マーガレット・クアリー、ボビー・サルボア・メネズ/2019年/アメリカ/95分/英語/コメディ・ドラマ/原題:ADAM/配給:ノーマルスクリーン
© A Symbolic Exchange, Little Punk Production

記事制作/newTOKYO