“誰にも言えない悩み”を、顔も知らぬあなたへ。ミュージカル『薔薇族’70』プライド月間に上演!

クィア当事者の視点から演劇を創作する新劇団「薔薇族」による旗揚げ公演、ミュージカル『薔薇族ʼ70』が、2026年6月26日(金)~28日(日)の3日間、新宿二丁目の「こった創作空間」にて上演される。

本作は、1971年に創刊された日本初のゲイ雑誌『薔薇族』をモチーフに、その誌面に存在した「文通欄」に焦点を当てたオリジナル・ミュージカル。インターネットやSNSが存在しなかった時代、誰にも言えない悩みや想いを、顔も名前も知らない相手にだけ打ち明ける、そんな“文通”という文化が、人々の人生にどのような影響を与えていたのかを描き出す。

1970年代、同性愛について語る言葉や情報が限られていた時代において、『薔薇族』の文通欄は、当事者にとって数少ない“つながりの場”だった。本名も顔も知らない相手に、手書きの言葉で自分をさらけ出す行為は、孤独の中にあった人々にとっての支えでもあったはずだ。

本作では、そうした匿名性と手書きの温もりが交差する関係性をベースに、当時のゲイカルチャーを現代の視点から再構築。制作・出演をLGBTQ+当事者が担う、日本ではまだ数少ないオリジナル・クィアミュージカルとしても注目される。

ーーなぜ今、1970年代を描くのか? プライド月間に、新宿二丁目で上演

企画・脚本・演出・作詞・作曲を手がける外崎銀河は、本作の背景について次のように語る。
「クィアを取り巻く状況が日々変化していく今だからこそ、あえて50年前を見つめ直す体験が必要だと感じました。日本のゲイカルチャー黎明期に生きた人々の孤独や抑圧、そして他者とのつながりへの希求を出発点にしたかったんです」

マッチングアプリやSNSが当たり前となった現在とは異なり、当時は自分のセクシュアリティを共有する手段自体が限られていた。そうした時代において、文通という形で生まれた関係性は、ひとつの“文化的遺産”とも言える。

「過去を懐かしむためではなく、そこに刻まれた声や欲望を現代の視点から再構築することで、いまを生きる自分たちのあり方を問い直したい」と外崎は続ける。

2026年は『薔薇族』創刊から55周年という節目の年であり、上演時期はプライド月間である6月。さらに会場は、新宿二丁目という日本のゲイカルチャーの中心地だ。

「当時は、同性愛に関する情報や言葉そのものが限られていました。だからこそ、50年前と今とで何が変わり、何が変わらずに残っているのかを観客に問いかけたいと思っています」

また、この作品を二丁目で上演することについても、「過去の物語としてではなく、当時から存在した新宿二丁目で上演することにより、いまに続く切実な問いとして立ち上げたい」と語る。

本作は舞台公演にとどまらず、『Tokyo Pride 2026』への出演も決定している。6月6日(金)にはパフォーマンスが予定されており、作品の世界観をより多くの人に届ける機会となりそうだ。

かつて文通欄に託された言葉と感情。それは時代を超えて、いまの私たちにもつながっているのかもしれない。

ミュージカル『薔薇族’70』
日程:2026年6月26日(金)~28日(日)/6月25日(金)プレビュー公演あり
会場:こった創作空間(東京都新宿区新宿2-6-8 小沢ビルB1F)
https://linktr.ee/barazokutokyo

素材提供/劇団「薔薇族」
記事制作/newTOKYO

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