リアルでまっすぐなガールフッド(=少女時代)を描く青春映画「ガール・ピクチャー」が4/7(金)より公開。

第38回サンダンス映画祭でワールドシネマドラマ部門観客賞受賞のほか、第95回(2023年度)アカデミー賞® 国際長編映画賞部門フィンランド代表に決定した、北欧発〈ジェネレーションZ〉のみずみずしい青春映画『ガール・ピクチャー』が4月7日より公開される。

子どもと大人のはざま、17歳から18歳に差し掛かる3人の少女、ミンミとロンコとエマは3度の金曜日を経て、ミンミとエマはお互いの人生を揺るがすような運命の恋をし、ロンコは未知の性的快感を求め冒険する――。

ーー友情とは、恋愛とは、セックスとは、そして人生とは? これは、ありのままの自分と向き合う、3人の少女の物語。

物語はとある金曜日からスタートする。クールでシニカルなミンミ(アーム・ミロノフ)と、素直でキュートなロンコ(エレオノーラ・カウハネン)は同じ学校に通う親友。放課後はスムージースタンドでアルバイトしながら、恋愛やセックス、そして自分の将来についての不安や期待にまつわるおしゃべりを楽しんでいる。

そんな中「男の人と一緒にいても何も感じない自分はみんなと違うのでは?」と悩み続けていたロンコは、理想の相手との出会いを求めて、果敢にパーティーへと繰り出す。一方、ロンコの付き添いでパーティーにやってきたミンミは、大事な試合を前に、プレッシャーに押しつぶされそうなフィギュアスケーターのエマ(リンネア・レイノ)と急接近する――。

主人公たちは自身のセクシュアリティや恋愛指向にあえて名前を与えてはいないが、ヘテロセクシュアルやシスジェンダーを前提とせず、むしろそれぞれに異なる恋愛指向があることを当たり前として物語は進む。同性同士で深い関係になるミンミとエマも、アセクシュアルの可能性があることに悩むロンコも、果敢に自分自身を追求し、感情やセクシュアリティーについて語ることを恐れない。

かつて女性軽視のニュアンスで使われることもあった、“ガール”という言葉を女性たちが自らの手で取り戻したように、3人のガールの物語は、流動的で、たくましく、まぶしいほどエネルギーに満ちており、Netflixシリーズ「セックス・エデュケーション」や「ハートブレイク・ハイ」も彷彿とさせる。

感情的な部分はあっても心優しいミンミを演じるのは、12歳から俳優業をスタートし、『エデン』(ウラ・へイッキラ監督/20)で初主演を務めた2000年生まれのアーム・ミロノフ。静かなたくましさを持つロンコ役を、俳優、ダンサー、シンガーでもあり、舞台俳優として活躍し、本作が長編映画デビューとなるエレオノーラ・カウハネンが、フィギュアスケートに青春を注いできたエマ役に、ドラマや映画で活躍中のリンネア・レイノが好演している。第38回サンダンス映画祭ワールドシネマドラマ部門観客賞を受賞、さらに第95回アカデミー賞®国際長編映画賞部門のフィンランド代表に選出された注目作でもある

ティーンエイジャーが抱える性、人間関係、未来への悩みをリアルかつまっすぐに映し出し、そして〈こうあるべき自分〉を思い描き、つまずき、ぶつかり、失敗しながらも誰かと寄り添い、自由を獲得する方法を学んでいく少女たちを切り取った本作の劇場公開を楽しみに待とう。

監督:アッリ・ハーパサロ/脚本:イロナ・アハティ、ダニエラ・ハクリネン/出演:アーム・ミロノフ、エレオノーラ・カウハネン、リンネア・レイノ/2022年/フィンランド/100分/カラー/スタンダード/5.1ch/原題:Tytöt tytot tytöt/PG12/日本語字幕:松永昌子/配給:アンプラグド © 2022 Citizen Jane Productions, all rights reserved

■ガール・ピクチャー
2023年4月7日(金)より新宿シネマカリテ、恵比寿ガーデンシネマ他にて順次全国公開

記事制作/newTOKYO