恋愛や性交渉のことはいくらでも友達と話せるけど、プライベートゾーンに関係する性病や性機能となると、なかなか腹を割って話せる人って少なくない? MSM(男性間性交渉者) の場合、調べても中々求める答えに辿り着けない…ってこともあるし。
この連載では、プライベートケアクリニック東京 東京院 院長 小堀善友先生監修のもと、人に聞いてもパッと答えが分からないメンズの性のお悩みにフォーカス。第6回目はゴーゴーボーイのSASUKEくんと一緒に「性交渉の時以外は、勃起するんだけど…これはED(勃起障害)なの?」という疑問から、アレコレ掘り下げる。
ーーどういう症状が出たら、EDなの?
EDって表面的なことしか分かっていないような気がしていて。今回はEDについて色々聞きたいんですけど、どのような症状が見られたらEDと診断されるんですか?
答えとしてはとてもシンプルなもので、勃起がしづらくて満足に性交渉が出来ない状態はEDとなります。
シンプルすぎて驚きました。ちなみに、日本にはどれぐらいED患者がいるんですか?
近年の調査では1400万人ほどのED患者がいると推測されています。20歳~40歳では2割ほどの人がEDであるというデータもあるほどです。
ただ単に性欲が全く湧かなくなったというのは、EDとは別の病気が疑われますか?
「欲」というものを評価することは非常に難しいですねぇ。男性更年期障害(LOH症候群)のように加齢により男性ホルモンが低下すると、性欲が低下する可能性があります。
ーーあのとき勃起しなかったのって…もしかしてEDだったから? いろいろな角度から考えるEDの原因
EDの原因にも色々あると思うのですが、一般的な原因としてはどのようなことが挙げられますか?
主な原因としては、器質性と心因性の2つが挙げられます。
器質性:血管や神経の障害、ホルモン分泌異常が原因となる場合で、例えば糖尿病などの原因疾患があると糖尿病から血管や神経の障害が引き起こされてEDとなる。
心因性:もともと病気ではないのに、緊張し過ぎるなどの心理的な問題が起きてEDとなる。
なるほど。マスターベーションで勃起するのに、性交渉となるとどんなにタイプな人であっても勃起しにくいのは、EDということですね。
その通りです。マスターベーションは一人でリラックスして行える行為ゆえ、副交感神経優位となり勃起しやすくなります。しかし、性交渉の際に緊張や不安から交感神経優位に切り替わると、勃起しずらくなってしまうのです。何より心因性の場合は「頑張ろう!」と思うと逆に勃起しづらくなってしまう、というジレンマがあるのです。
恋人との性交渉の際だけ勃起しないという限定条件の場合であっても、EDと診断されますか?
その場合もEDとなります。2人の関係性が大きく関わる心因性かもしれませんが、複雑に原因が絡み合ってそうなるということも十分に考えられそうです。
ーーEDの治療って、どのように行われるの?
心因性のEDは治療が長引きそうなイメージがありますが、どのような治療法があるのでしょうか?
基本的には、まずは薬が絶対的な適応です。もともとは心臓の負担を下げる目的で作られた薬ですので、非常に安全な薬です。ED治療薬は危険な薬と勘違いしている人も多いですが、安全な薬ですのでどんどん活用してください!
先生のその言葉、すごく心強い(笑)! ちなみに、バイアグラなどは根本的な治療にはならないですよね…?
そんなことはありませんよ。心因性が原因の場合、バイアグラを用いて勃起を維持できるようになり且つリラックスして性交渉が出来るようになれば、治る可能性も十分考えられます。
そうなんですね! 色々と質問にお答えいただいたおかげで、知った気でいたEDについて理解を深めることが出来ました。ありがとうございます!
こちらこそ、色々と聞いてくれてありがとうございました!EDであるかどうかは「IIEF5」質問に回答することでチェックできますので、トライしてみるのもいいかもしれません。そのほか、少しでも気になることがあれば、プライベートケアクリニック東京 東京院へお越しください!
#06は10月15日更新予定!
■性トーク
プライベートケアクリニック東京 東京院 院長 小堀善友医師監修のもと、「人に聞きにくい」「調べてもパッとしない」メンズの性のお悩みにフォーカスする月2回更新の連載企画。4回ごとに異なるモデルを迎え、トークルーム風にアレコレ掘り下げていく。
■プライベートケアクリニック東京 (東京院・新宿院)
性感染症の適切な診断・治療を行うクリニック。女性・男性・LGBTQ+の方・パートナー同士でも受診することが可能。男性不妊・メンズヘルス診療はこちらから。
https://pcct.jp/repro/
■小堀善友 医師
プライベートケアクリニック東京東京院院長。2001年、金沢大学医学部卒業。金沢大学泌尿器科、米・イリノイ大学シカゴ校泌尿器科、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授を経て、2021年より現職。日本泌尿器科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本性機能学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性科学会セックス・セラピスト。著書に『オトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『今日の診断指針第8版「男子性発育の異常」』(医学書院)など。
モデル/SASUKE
写真/JOE
デザイン/鈴木美結
企画・編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO
タイアップ・監修/プライベートケアクリニック東京