
恋愛やセックスの話なら、友達同士でフランクにできる。でも、「HIVの予防ってどうしてる?」「PrEP(プレップ)って飲んでる?」となると、急にハードルが上がって話しにくくなるもの。PrEPという言葉や存在は知っていても、
- 「自分のような若者が飲むほどなのかな?」
- 「22歳から始めるのって、さすがに早すぎる?」
- 「毎日薬を飲むのは副作用や費用も含めて不安…」
- 「性感染症クリニックに行くのは緊張する」
そんな風に、気になりつつも一歩を踏み出せずに迷っている人も多いのではないでしょうか?
連載『性トーク Vol.25』では、PrEPを始める前に必要なHIV検査・腎機能・B型肝炎検査について学んだ、22歳のGOGOBOY・ダイゴ。その後、ダイゴは自分自身のセクシュアルヘルスと向き合い、実際にPrEPの服用を開始することを選びました。
今回newTOKYOでは、ダイゴ本人にインタビューを敢行。「なぜPrEPを始めようと思ったのか」「何に迷い、どう乗り越えたのか」「クリニック受診前に知りたかったこと」など、20代当事者のリアルな本音を聞きました。
PrEPの存在は知っていた。でも「自分が飲む薬」とは思っていなかった?
newTOKYO:
Vol.25の取材時は「PrEPが気になっている」という段階だったよね。その後、実際にクリニックを受診して始めようと思った一番のきっかけは何だった?
ダイゴ:
PrEP(曝露前予防)という言葉自体は、ゲイの先輩や周りの友達から聞いて知っていました。でも最初は「自分にはまだ関係ないかな」「遊び慣れている人が飲むものなのかな」という勝手なイメージがあったんです。
でも取材を通して、HIV予防は「何か起こってから焦る(PEPなど)」のではなく、「自分でコントロールできる予防法(PrEP)をあらかじめ知っておくこと」が大切だと感じて。
単に「薬を飲むかどうか」という話だけじゃなくて、これから自分がどうやって自分の身体やパートナーを守っていくのか、一度ちゃんと向き合って考えてみようと思ったのが大きなきっかけでした。
22歳でPrEP開始。「まだ早い?」「遊んでると思われる?」という葛藤は?
newTOKYO:
22歳という若さで予防薬を継続して飲み始めることに対して、不安や抵抗感はなかった?
ダイゴ:
正直、めちゃくちゃありました(笑)。
「まだ22歳なのに毎日薬を飲むの?」という抵抗感もあったし、周りから「あの人、PrEP飲んでるってことはすごく遊んでるのかな?」って偏見を持たれるんじゃないか…とか考えてしまって。
でも、いろいろ調べる中で「周りからどう見られるか」よりも「自分の健康と人生を自分で守ること」の方がずっと大切だなと思えるようになったんです。
年齢やセックスの頻度だけで「自分にはまだ早い」と決めつける必要はないし、予防を選択することは恥ずかしいことじゃないと今は思っています。
PrEPを始める前、一番気になったことやハードルだったことは?
newTOKYO:
実際に「受診してみよう」と思ってから、一番不安だったり気になったりしたのはどんなこと?
ダイゴ:
薬の副作用、毎月の費用、毎日ちゃんと飲み続けられるか(飲み忘れ)など、気になることはたくさんありました。あと、毎日飲む「デイリーPrEP」だけじゃなく、タイミングに合わせて飲む「オンデマンドPrEP」という選択肢があることも後から知りました。
それと意外と一番緊張したのが、「クリニックの初診で何を聞かれるんだろう?」という不安です。自分の性生活や相手のことをどこまで詳しく話さなきゃいけないのか…そもそも性感染症専門のクリニックに行くこと自体に慣れていなかったので、ドアを叩くハードルが高く感じました。
「『PrEPください』と言ったらすぐ買えるのかな?」と思っていたんですが、事前にHIV陰性の確認(HIV検査)や腎機能検査、B型肝炎のチェックが必須だと知り、医療機関でちゃんと医師に診てもらう重要性を実感しました。

「ネットで個人輸入」ではなく、医療機関を受診しようと思ったワケは?
newTOKYO:
最近はネットで通販や個人輸入の情報も出てくるよね。その中で、ちゃんとクリニック(医療機関)に相談して始めようと思ったのはなぜ?
ダイゴ:
最初は僕もネットでかなり検索しました。でも調べれば調べるほど、「自分にはデイリーとオンデマンドのどっちが合っているんだろう?」「飲み合わせや副作用が出たらどうしよう?」と疑問が増えていって。ネットの記事個人の体験談だけでは、自分の健康状態に合っているのか判断できなかったんです。
ニセ薬のリスクも怖かったので、最初から「絶対今日からPrEPを始める!」と気負って行くというよりは、「自分の身体にPrEPが合っているか、まずは医師に相談してみよう」くらいの気持ちでクリニックへ行ってみるのが一番安心だなと思いました。
これから受診する同世代が、病院で聞いておくといいポイントは?
newTOKYO:
これからPrEPを検討している20代の同世代に向けて、「受診時にこれを聞いておくといいよ」というアドバイスはある?
ダイゴ:
僕だったら、次の5つは必ず医師に確認したいです!
- 自分にはどの飲み方(デイリー/オンデマンド)が合っているか
- 服用を開始する前にどんな検査が必要か(費用や所要時間)
- 副作用が出た場合、どんな症状に気を付ければいいか
- もし飲み忘れてしまったらどう対処すればいいか
- 通院や定期検査はどのくらいの頻度で必要なのか
恥ずかしくて聞きにくいプライベートな疑問ほど、最初の受診で聞いてしまった方がラクになります。友達の飲み方やネットの情報が自分にも当てはまるとは限らないので、「自分自身の場合」についてプロである医師に相談することが本当に大事だと思います。
PrEPを迷っている20代へ伝えたいこと
newTOKYO:
最後に、「興味はあるけれど、まだ迷っている」という同世代へメッセージをお願いします。
ダイゴ:
PrEPを知ったからといって、全員が今すぐ始めなきゃいけないわけではないと思います。僕自身も最初は「自分にはまだ早いかな」と思っていました。
でも、PrEPを調べ始めたことをきっかけに、定期的なHIV検査や梅毒・クラミジアなどの性感染症(STI)チェックのこと、そして「自分の身体を自分で守る選択肢」について真剣に考えられるようになりました。
もし迷っているなら、まずは正しく信頼できる医療情報を調べることから始めてみてください。一人で抱え込んで決める前に、専門のクリニックで一度相談してみる。それも、自分を大切にするための素敵な選択肢の一つだと思います!
【編集部より】
PrEP(曝露前予防)を始めるかどうかは、年齢や周りが飲んでいるかどうかだけで決めるものではありません。
PrEP開始前には必ずHIV感染の有無を確認し、身体の状態に応じた検査を受けることが不可欠です。また、PrEPはHIV感染を高い確率で予防するものですが、梅毒・クラミジア・淋病など他の性感染症(STI)を予防することはできません。他の感染症予防のためにも、必要に応じてコンドームの併用が推奨されます。
「自分には必要なのかな?」「どうやってクリニックを選べばいい?」「検査って何をやるの?」と気になった時こそ、信頼できる医療機関へ相談してみるセクシュアルヘルス(性の健康)の第一歩です。
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出演/ダイゴ
提供・撮影場所協力/プライベートケアクリニック東京
取材・記事制作/newTOKYO











