今だからこそ共感できるポイントが大量?「チェリまほ THE MOVIE」の違和感はただのやっかみかしら?笑

映画ライターのよしひろまさみちの映画レビュー

映画ライターのよしひろまさみちが、
今だからこそ観て欲しい映画をご紹介するコラム

「まくのうちぃシネマ」第32回目

今回はテレビドラマの劇場版、“チェリまほ”でお馴染みの『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』。2020年に放映されたドラマ版で大いに話題になりましたよね。その続きです。

よしひろまさみちの「チェリまほ THE MOVIE」の映画レビュー

ドラマ版を観ていない人はさっぱりちんぷんかんぷんだと思いますが、同名人気BLコミックの実写化ですのよ。いや、わかる。なんでこれよ、と言いたくなる気持ち、わかる! だがしかし、あたしがこのドラマ版を観たときの違和感をどうしても伝えたかったの! あ、未見の方はまずはドラマ版を。ネトフリなどで観られます。劇場版は余力あれば御覧ください(勧めていないようで勧めてます)。

30歳まで童貞だと魔法使いになるって都市伝説や、イケメンだけど自己肯定感爆低の安達と、彼と同期で仕事ができる黒沢(これまたイケメン)が恋をするっていう設定。BLなら仕方ない。むしろそうじゃなかったら成立しないものね。2次元の世界なら。
ただ、3次元化するときに、コミックから抜け出たような見目麗しい赤楚&町田コンビで実写化したことによって、一つだけ抜け落ちてしまった大事な要素があるのよね。それは、「ゲイのリアル」。

よしひろまさみちの「チェリまほ THE MOVIE」の映画レビュー

いや、マジでほめたいところはたくさんあるのよ。安達や拓殖のセクシュアリティのゆらぎなんて、まさに2020年代のホットな話題だし、交際&セックスレスで安達に妄想だけ膨らましちゃう黒沢とかもアリ寄りのアリな話だし。おまけにクライアントからのセクハラとか、社内のパワハラとかもさりげなく描かれているし。令和の今だからこそ共感できるポイントは大量にあるの。

ただね……安達も黒沢も女子的視点のイケメン過ぎる。2次元だったらそれでいいけど、実写になったらとたんに現実味が薄れる。ゲイの黒沢が恋する安達は、もっとゲイ受けしそうな……たとえば中野太賀くんとか? え、それって醜女として生きたババアのやっかみだって!? う……それを言われたらグゥの音も出ません。

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チェリまほ THE MOVIE〜30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい
ストーリー/社内恋愛中の安達と黒沢。ある日、安達の長崎転勤の話が持ち上がり、遠距離恋愛について話し合うことになるのだが……。

監督:風間太樹
出演:町田啓太、赤楚衛二、浅香航大、ゆうたろう、松尾諭、榊原郁恵、鶴見辰吾、松下由樹 ほか
在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中
https://cherimaho-movie.com/

文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96