一生に一度も使わないGAY会話 Lesson4.catfishを囲む昼下がり

松本ゆうすの連載のGAY会話

部署異動により英会話能力の向上を余儀なくされた30代スーツリーマンのゲイ、ジョー。「英語への苦手意識を無くす」という目標を掲げ、アメリカへの留学経験があるドラァグクイーンのニュー子を頼ったものの、教えてくれるのは全く使う機会が無い英文ばかり!

さらにはインバウンド需要を見据えた友人でゲイバーのママであるツバサも加わり、月に一回の英会話教室は、たちまち井戸端会議状態に…。

第4回目は“cat fish”をキーワードに、生きた英語?を学んでいこう!

ーー週末の昼下がり、ニューコの家にて。

こうやって、ニューコさんが作った料理をいただくなんていつぶり~? どれも美味しくてお酒が進んで…はぁ~、幸せ! 

ツバサもジョーもなんだかんだ言って、オシゴト頑張ってるじゃない? だから、つい親心みたいなもんで誘ったんだけど、喜んでもらえてよかったわ。

週明けに職場の1分間スピーチで話す話題もできて、ラッキー♪

ーーピンポーン(チャイム)

来た来た♪ そしたらこれから振る舞うメインディッシュの話をしたら? 絶対盛り上がるはずよ。

あれ! 一体どういうコト!?

というわけでこの方が今日のメインディッシュで〜す♡

【今月の一生に一度も使わない例文】
I spotted a guy who catfish me so I exposed him as a main dish in front of my friends last Saturday.

コイツ…俺のなりすましなんてやってたのか!?

そっ。偶然SNSで見つけて釣り上げてみたってワケ。

ジョーのなりすましなんてしてどうすんのよ…と言いたいところだけど、ゲイ受けするもんだから気に食わないわ。

catfishは本来ナマズって意味なんだけど、「なりすまし/身元を偽る」という意味でスラングとして使われることがあるのよ。翻訳すると「先週の土曜日は私のなりすましを釣り上げて、友人らの前でメインディッシュとして晒しました」といったところかしら。それにしても…思ってたよりも美味しくなさそうね、この男。どうしようかしら。

す…す…すみませんでした〜!!

ジョー:今日の特別レッスンに限っては、絶対忘れることはなさそうだな。

■プロフィール
ジョー(T179 W85 35yo)
ゲイの鑑と言わんばかりな褐色肌の短髪黒髪ヒゲリーマン。本格的に英語必須なポジションに異動が決まり、本腰に。やめては入会を繰り返していた英会話教室に再び通い始め、ニュー子からもGAY会話を通して英語を学び始めることに。平日はスーツ勤務、休日は万年タンクトップ。

ツバサ(T170 W55 28yo)
新宿二丁目でゲイバーを営むやり手のママ。一見、物腰が柔らかそうな色白今風ノンケだがその実、常連には少々アタリがキツい。元々、大学では英語を専攻。外国人の来店者も見据えて更なる英語力向上を目指し、ジョーとともにニュー子から生きた英語を学ぶことに。

ニュートーキョーコ・トーキョー(通称:ニュー子)(T195 Wヒミツ♡)
学生時代、LGBTQ+への理解が進むカリフォルニア州に留学経験あり。帰国後にドラァグクイーンとして活動をスタート。性別や年齢、国籍などを問わず誰に対しても大らかで、来るもの拒まず、去るもの追わずなスタンス。年齢不詳で素顔も謎だが、普段は英語講師をしているというウワサも…。

イラスト/松本ゆうす
英文監修/Honoka Yamasaki
編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO