アジアから届いた、小さくて大きな愛の革命 ネパール、同性婚の完全合法化へ

僕たちLGBTQ+を取り巻く世界のニュースは、時に僕たちを勇気づけ、時に考えさせる。今回紹介したいのは、南アジアにある美しい山の国、ネパールから届いた歴史的なビッグニュースだ。

去る6月18日、ネパールの最高裁判所が、政府に対して「婚姻の平等」を完全に保障するよう命じる判決を下した。これでネパールは、世界で40番目に同性婚を法的に認める国となる。

「ネパールで同性婚?」と驚く人もいるかもしれない。実はネパールは、以前からアジアの中でも群を抜いてクィアの権利先進国だった。遡ること2007年、すでに最高裁が「同性愛は自然なことであり、差別してはならない」という判決を出しており、憲法でも性的指向による差別を明確に禁止している。

2023年には暫定的な婚姻登録を認める命令が出ていたが、今回はそこからさらに一歩進んだ。反対派による「同性婚を阻止しようとする訴え」を最高裁がキッパリと退け、これからは一時的な措置ではなく、憲法が保障する正当な権利として、未来永劫、愛する人と結婚できる法的確実性を勝ち取ったのだ。

この裁判を長年牽引してきたアクティビストであり、元政治家でもあるスニル・バブ・パント氏は、判決のあとに「この画期的な判決は、ネパールにおける平等、尊厳、そして人権の歴史的な節目だ。そして何より、僕たち同性カップルの権利に、確かな法的な明確さと保護をもたらしてくれた。」と語る。

ネパールの当事者団体「ブルー・ダイアモンド・ソサエティ」も、SNSで「愛する人と結婚する自由は、憲法が保障する尊厳である」と喜びの声明を発表した。

「伝統」の壁を突き崩した、粘り強い対話の足跡

さて、このニュースを読んで、僕たちは何を思うだろう。 アジアで同性婚といえば台湾が有名だけれど、ネパールがそれに続いたことは、決して「遠い国の珍しい出来事」ではない。

かつては「伝統的な家族観を守るべきだ」と言われていた国々でも、当事者たちが声を上げ、司法に訴え、10年、20年という歳月をかけて社会を動かしてきた。ネパールの勝利は、粘り強い対話と闘いが、いつか必ず実を結ぶという証明でもある。

ひるがえって、僕たちの暮らす日本はどうだろう。各地で「結婚の自由をすべての人に」訴訟が闘われ、違憲判決が相次いでいるものの、国会での法制化への道のりはまだ半ばだ。

ネパールの友人たちが勝ち取った「尊厳と安心」は、僕たちが未来に絶望しそうになったとき、そっと背中を押してくれる道標になるはずだ。国境を越えて、彼らの勇気に心からの拍手を送るとともに、僕たちの未来についても、あきらめずに考えていきたい。

記事制作/newTOKYO

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